『攻略情報との付き合い方』配信ダイジェスト

By
大井いちひと
May 23, 2026

2026/05/17 配信の「てまげむ」を掻い摘んだ、10分ほどで読めるダイジェストです。(2026/05/23に note より転載。)

【背景】以前にもネタバレや攻略 wiki について取り上げた回 [1, 2] もあったが、今回は攻略情報全般との付き合い方という観点で話すことに。ヘッダー画像の背景は『Don't Starve Together』(Klei Entertainment, 2016)。

攻略情報に対するスタンス

◎めがぬ(以下め): まず、攻略情報見るの好きな人ー?

❖がるべす(以下が): はーい。

▲半魔バルマ(以下半): 好きかな、自分も。

◎め: あ、そうなんだ。がるべすさんが好きなのは知ってたけど、他には居ないのかと思ってた。

▲半: まぁ、結構見る派な気がしますね。

▧大井いちひと(以下大): ちなみに、ここで言う「攻略情報」って対戦ゲームの話ですか?シングルプレイの、ストーリーを辿っていくようなゲームでも攻略見るのが好きって感じ?

❖が: ゲームに依ります。

▲半: ジャンルにも依りますけど、見ることは全然ありますね。

▧大: 例えば RPG とかで、どのキャラを仲間に入れよっかな、みたいなことも見るんですか?それはネタバレになるんじゃない?と思うけど。

❖が: ゲームに依って求めるものが全然違って――直近でプレイしているのが『Diablo IV』(Blizzard Entertainment, 2023)なのでハクスラを念頭に置くと、ハクスラは最終的にどこまで強くできるかが大きな目標としてあると思うので、ある程度までは自己流でやったとしても、どこかの時点からはもう攻略情報を仕入れてこないとそれ以上強くなれない段階が来ちゃう。だから、最終的には強いビルド、メタ・ビルドを調べて、それに近いものを育てて、「ここまで強くなった。」「このボスを倒せるようになった。」みたいなことを求めることになるし、攻略情報は必須。

❖が: 一方で RPG とか(僕あんまりやらないので、それに近いジャンルだと最近は)『S.T.A.L.K.E.R. 2』(GSC Game World, 2024)は完全に手探りでやりました。「ストーリーの分岐があるらしい。」という話は聞いてましたが、具体的な情報は仕入れず、「これが自分の冒険、自分の物語だ。」という楽しみ方をしました。中には解けないパズルとか暗証番号がどこで手に入るか全然わからないとか、何時間かけてもわからないようなところはスポット的に調べることはありますけど、それはバグでフラグがちゃんと進行してなかっただけみたいなパターンもよくあるので。

▲半: 自分もそんなに変わらないですね。基本、見なくて済むものに関しては見ないですよ。

◎め: 例えば、眼の前に報酬が用意されてるけど中身はわからないとして、そのパズルが解けないとなったら攻略情報は見ますか?

▲半: うーん、微妙だなぁ。「それが手に入らないと戦力的にキツくなりがちだな。」とか「取らないと多分この先キツくなっちゃうな。」みたいに思った場合は、調べてしまうかもしれないな。逆に、普通に続けられるなら、別に調べはしないですかね。あと、自分は普段ゲーム内の情報をそんなに見ないタイプなんですよ。説明とか端折っちゃったり。だから、進行に詰まって攻略情報を見てようやく「ああ、そんなことだったんだ。」みたいなことが多い。かと言って、ゲーム内で情報を洗い直す気力があるか?という話で。そこまでの気力がない、そこまでするとこのゲーム自体を多分やらなくなると思ったら、見ちゃうかな。モチベが下がるくらいなら見るっていうスタンス。

◎め: 僕含め、残りの三人は極力見ないってことで良いですかね?

♠セヴンス(以下セ) 極力見ないんですけど、場合による。『Escape from Tarkov』(Battlestate Games, 2025)は見ます。他のゲームに関しても、(対戦ゲームみたいな)攻略情報ありきの場合、スタートラインに経つのに必要な情報を仕入れることはしたい。

▧大: いまバルマさんが言ってた線引きの仕方が僕も一番しっくりくる。「攻略情報を見ないで詰まって、作品自体をやらなくなるぐらいだったら調べよう。」っていうのは、確かにそうだと思いましたね。

◎め: やっぱりそういう人が多いのかな?

❖が: めがぬさんはよく「薄目で見るのが得意。」とおっしゃってますよね。

◎め: 攻略情報ってネタバレでいっぱいですから。特に、ゲームでの展開が正規の仕様かどうかわからないときってありますけど、そういうときは調べざるを得ないですよね。

クリアが保証されないゲーム

◎め: 今これだけ攻略情報を毛嫌いしてる僕ですけど、むかし攻略本を読むのは好きだったんですよ。それが変わったのは、フォーマットの違いがあるのかも知れない。攻略本って、公式が出してないにしても、何かこう「公式感」があったというか、ゲームの延長線上にあったのかな。それか、単純に歳をとっただけかもしれない。今の子は今の子で『序盤にやるべき15選』みたいな動画を見るのが好きなのかもしれないし、それは単に時代が変わっただけということかも。

▲半: 効率的にプレイしようとする人自体は増えてるかもしれないですね。

◎め: 「効率的に」か……

▲半: そういう思想は強くなってるような気がする。

◎め: 若い人にとって、対人ゲームでスタートラインに立つために調べるノリと、シングルプレイとの境界が曖昧になってるみたいなことは無いですかね?例えば、小さい子は『Fortnite』(Epic Games, 2020)を動画で調べてから遊んでそうですけど、その延長線として『ポケットモンスター』シリーズ(主に Game Freak, 1996-2026)を始めるときも、まずどのポケモンが強いか調べてから始める、みたいな癖がついてるんじゃ…。

▲半: たしかにありそうな気はしますよね。というか今や、ゲームは調べることが前提になってる。コンシューマーゲームならいざ知らず、ソシャゲは基本的に調べること前提じゃないですか?「リセマラは誰出せば良いんですか?」とか「編成はどうしますか?」、「ステータスはどういう上げ方しますか?」みたいなことは、当然調べてやっていくものですよね。

♠セ: えー、それはちょっと同意できない。自分で組み合わせ見つけるのが楽しいのであって……

▧大: 僕も「それやったら楽しみが減るだろ。」って思っちゃう。

◎め: あー、僕ソシャゲではそういうの「一切」気にならなかったな。

▧大: それは、昔はやってたけど、もうやっても無駄だと悟った時期があるとか、そういうこと?

◎め: いや、ソシャゲは最初から別物。何かソシャゲやろうと思ったら、とりあえずリセマラ・ランキングとか見てましたね。

▲半 & ❖が: うんうん。

▧大: なんか、これまでのめがぬさんの話と全然違う気がするなぁ。ソシャゲに対しては態度が変わるのかな。

◎め: (苦笑)なんででしょうね。

❖が: ソシャゲは弱いキャラだけでスタートしちゃうと、後で追いつこうと思った時にガチャを回す必要があって、お金がかかったり――

▲半: 金銭的な損が発生するんですよね。

▧大: 「そもそも調べないと楽しめない設計、マネタイズの構造になってるのがソシャゲ。」っていう考え方なのか。

◎め: そうそう!そもそもソシャゲは、何でもクリアできるようにはできてないから。

▧大: クリアが保証されてない、と。

▲半: 育てるのにも時間がかかりますしね。

♠セ: (不満そうに。)だからって、あんまりそう思ったことは無いなー。

◎め: もちろん、何も調べなくても楽しめるソシャゲもあるとは思いますよ。ただ、少なくとも僕が当時やってたゲームでは無理だったから。

▲半: それがあるから、いま若い人にとってゲームは最初から調べるものになってるんじゃないですかね。

人を介した攻略情報

◎め: 『Minecraft』(Mojang, 2011)とかも、ほとんど攻略情報ありきじゃないですか。何も調べずにエンダードラゴンに到達するのはほぼ不可能。

▲半: そうですね。

◎め: それで、これまで僕は攻略情報を極力見ないようにしてきたんですけど、そこに『Don't Starve Together』(以下『ドンスタ』)が現れた。

❖が: まさに知識ゲーだ。

◎め: 『ドンスタ』は調べないとエンドコンテンツに絶対たどり着けなくて、調べるのはすごい嫌だったんですけど、嫌々調べて気づいたのは「マルチプレイだと緩和される」ということ。僕は嫁とやってたんですけど、二人でやってると攻略情報を見ても楽しめました。これがもし一人でやってたら、あんなに続かなかったと思いますね。攻略情報を調べて、その通りにやって、の繰り返しに多分虚しくなってたはず。

▧大: それが他の人と一緒だと緩和するんだ?

◎め: なんででしょうね?

▧大: 二人でグダると迷惑をかけるってことで、諦めがつくとか?

◎め: いや、そういう消極的な理由でもない。『ドンスタ』の場合、全部自分で調べた訳でなくて、半分ぐらいは向こうが調べて教えてくれた。これが良かったのかも。直接読むより、人を介したほうが情報もマイルドになるというか。

♠セ: 同じ情報でも、自分から能動的に調べた時と受動的に教えられた時とで印象が違うって感じなのかな。

◎め: 「こういうこと起きるらしいよ。」っていう伝わり方が良かったのかもしれないですね。そう言われると「お、マジかよ。やってみるか!」になるんですけど、攻略情報として「これをするとこうなります。」って書いてあると、「うーーん…。」みたいな。

▲半: じゃあ、めがぬさん用の攻略サイトには「こうなる、かもしれません!乞うご期待!」みたいに書いてあったほうが良いんだ。

▧大: 「この先は自分の目で確かめてくれ!」

一同: (笑い)

◎め: そうですね。

▲半: そんなサイト、信用できねー!

試行錯誤という「ごっこ遊び」

▧大: (宣伝や先行プレイ動画として、)開発からの攻略情報やネタバレも基準がかなり緩くなってきてるかもしれない。

❖が: 僕は攻略情報肯定派で、ハクスラとかやるなら最終的には見ることになるって言いましたけど、新シーズンとか新クラスとかが来るとき、やっぱり最初は手探りでやりたいフェーズもある訳ですよ。情報は段階的に解禁していきたいから、先行プレイみたいなものは薄目で雰囲気を確かめるだけにして、「がっつり情報仕入れてやるぜ。」とは思ってないですね。

◎め: そういう試行錯誤したいという感情って、余裕のある人からしか生まれてこないんじゃないかとも思ってて――

♠セ: 「余裕のある人」ですか。

◎め: 「余裕のある」とも違うかもしれないですけど…。多分、子供には無い発想だと思うんですよ。子供はどちらかというとゲームとそれ以外の境界線が薄くて、ゲームを他から得た情報と共に遊んで OK なものと見なしてる。一方で大人は多分、ゲームはゲームで完結させたい人が多いんですよ。「日常とは違うものを楽しみたい。」と。言ってしまえば、僕はゲームで「試行錯誤ごっこ」をしたがってるんじゃないかな?と自分の中で思う。

▧大: ある意味、我慢したほうがゲームを楽しめるという経験を積むことで自制できるようになる、ということなのかな?大人になるにつれて、ゲームを崩さないような遊び方を次第にできるようになると。

◎め: 試行錯誤の仕方がわかってくるってことか。逆に、ゲーム始めたての人ほど攻略情報に忌避感がないんじゃないかな。

▧大: それこそ、『ポケモン』で「コイキングにミュウって名前つけてあれこれしたらミュウになるんだぜ。」って聞いたら、小学生は迷いなくやりますよね。僕もやった。

◎め: それがゲームを壊していると、大人になるとわかるようになっちゃうんでしょうね。

▲半: ゲーム内の情報だけで遊ぶことこそがゲームのルールであり、ゲームそのものだよね、という。それ以外の情報を使うのは、ルールを破るというかゲームを壊すことになるから、大人はお行儀良く遊ぶようになるって話ですよね。

◎め: ――今回はこれくらいにしましょうか。

▧大: 最後の話は、ゲームの面白さと言うか、ゲームとは何かというテーマの核心に近づいてた気がしますね。遊びっていうのはある区切られた空間内で完結するもので、(「マジックサークル」 [^1] とかって言ったりするんですけど、)その中で遊びを壊さないように振る舞うことで初めて遊びは成立する……みたいな話はよくされるから。割と面白い話だったと思う。

[^1]: [10] より。『ゲームデザイナーのエリック・ジマーマンとケイティ・サレン・テキンバスは、今ではゲームデザインの教科書の古典のひとつとされている『ルールズ・オブ・プレイ』の中で、「魔法の円(マジックサークル)」をデジタルゲームの重要な概念として位置づけ直した(Salen & Zimmermann 2004)。ここでもまた、マジックサークルはゲームの内外の境界線を指し、ゲーム内で行われる行為の独立性を意味した。』


配信本編

この話のつづき、配信本編はこちら。

出典

  1. めがぬ, "世界観の描き方/Incursion Red Riverの感想:テーマで語ろうゲームの会Vol.26【てまげむ】," (01:21:17, テーマ『ネタバレの許容範囲』,) YouTube, Apr. 14, 2024. https://www.youtube.com/watch?v=Ih88W1qJ9Ho (accessed May 20, 2026).
  2. めがぬ, "Steamレビューって推し活の場?/「Elin」の感想:テーマで語ろうゲームの会Vol.38【てまげむ】," (01:21:56, テーマ「Wikiを見るゲーム見ないゲーム」,) YouTube, Nov. 3, 2024. https://www.youtube.com/watch?v=cDimHfMbLGs (accessed May 20, 2026).
  3. “Don't Starve Together,” Klei Entertainment, 2026. https://www.klei.com/games/dont-starve-together (accessed May 20, 2026).
  4. “ディアブロ IV,” Blizzard.com, 2026. https://diablo4.blizzard.com/ja-jp/ (accessed Apr. 27, 2026).
  5. “S.T.A.L.K.E.R. 2: Heart of Chornobyl,” 2024. https://www.stalker2.com/ja (accessed May 20, 2026).
  6. “Escape from Tarkov オフィシャルページ,” 2026. https://www.escapefromtarkov.com/?lang=ja (accessed May 20, 2026).
  7. “フォートナイト,” Epic Games, 2026. https://www.fortnite.com/?lang=ja (accessed May 20, 2026).
  8. “ゲームソフト一覧,” ポケットモンスターオフィシャルサイト, 2026. https://www.pokemon.co.jp/game/ (accessed May 20, 2026).
  9. “Minecraft とは?,” Minecraft.net, 2026. https://www.minecraft.net/ja-jp/about-minecraft (accessed May 20, 2026).
  10. マーティン・ロート, “マジックサークル,” クリティカル・ワード ゲームスタディーズ, pp. 232-236, フィルムアート社, 2025. https://www.filmart.co.jp/books/978-4-8459-2145-4/ (accessed May 20, 2026).